教授あいさつ
教授 鈴木 耕次郎
放射線医学講座はCTやMRIなどの画像診断、がん治療における放射線治療、低侵襲治療であるIVR(画像下治療)、核医学の4分野で診療、研究、教育を担っており、私はIVRと腹部領域の画像診断を専門としています。各分野は放射線診断専門医、放射線治療専門医、IVR専門医、核医学専門医など各々の専門医資格を持つ医師が診療を担当し、先進的な医療技術の開発と実践を推進しています。画像診断と核医学検査は多くの患者で疾患の診断や治療法決定に必須の検査ですし、放射線治療は手術、化学療法と並んでがん治療には必要不可欠な治療法です。またIVRは出血に対する動脈塞栓術を行うなど救急医療にも貢献しています。放射線科は病院の中央診療部門としの役割が多く、診療各科と連携を深め愛知医科大学病院でチーム医療を実践しています。
愛知医科大学病院は名古屋市の東側に隣接する長久手市にあり、大学病院の周りは自然豊かで緑が多く残されています。長久手市は住民の平均年齢が若く、人口増加が続く住みやすい街です。この街や近隣地域の人々が安全で高度な医療を受けられるように、今後も画像診断、放射線治療、IVR、核医学を用いて地域医療に貢献していきます。
また、愛知医科大学の学是に、“具眼考究”(ぐがんこうきゅう)という言葉があります。具眼は確かな眼を意味し、医学的には正しく診る、看る、見る、観る、視る、の全ての意味を含んでいます。考究は具眼によって得た神髄を深く考え、それに対して正しく対処して究めることです。“具眼考究”を遵守して、放射線医学領域での診療、研究、教育を邁進していきたいと思います。
教室の沿革
1973年4月に初代主任教授の稲田五郎先生により、愛知医科大学放射線医学講座は開講されました。稲田教授は健康がすぐれず2ヶ月で退職され在籍は短期間でした。
1973年8月に2代目の主任教授として宮田伸樹先生が就任され、実質的に講座として活動を始めたのは宮田教授からになります。宮田先生はX線断層撮影を研究され、X線像のシミュレーションと画質評価法の確立へと発展しました。
1979年1月に綾川良雄先生が教授に就任され、宮田先生が退官された2001年4月より綾川先生が3代目の主任教授となりました。綾川先生はX線断層撮影や拡大撮影の画像解析の研究の流れを継いでデジタル画像の研究をされ、画質の改良、PACSに役立ちました。
2003年4月に石口恒男先生が4代目の主任教授に就任されました。石口先生は、大動脈瘤に対するステントグラフト治療や血管奇形の塞栓硬化療法など、IVRの基礎的、臨床的な研究で様々な成果を上げられました。
2018年4月より私が5代目の主任教授を担当しています。